ナポリのビスポーク・テーラー

 アントニオ・イザッコは製図, 型紙を自身で作成する裁断、裁縫の師である。今となっては、オーダーメイド仕立て屋職人としてその名を馳せている。栄華と情熱で溢れているナポリの文化からイスピレーション得た創造力、細部への拘り、生地への追求心は彼の作り出すものを見ればすぐに読みとれる。言うまでもないが、すべてナポリで生産されている。

 彼は、伝統的はナポリ仕立てを採用しており、細部への拘りはマニアックであり、エレガントなスタイルと趣味を創りだす高級仕立て屋である。慎重に選んだ生地で、ひとつのモデルに対しひとつの試作品が製作される。彼の作り出すスーツはスタイリッシュでありながらも伝統製法は守られ、決して行き過ぎることはない。正にナポリの伝統ある家族経営のボッテーガである。

 多国籍企業が今となっては持ち合わせていない価値を彼の店では毎日のように見ることができる。それは、例えばお客様への配慮であったり、品質に対する価格であったりする。この経営方法で店は成功している。高級品を大衆品に変えたマスマーケットと違うところが正に職人の利点である。マスマーケットを追うのではなく一人一人の個性を大事にするのが大切である。人生と同じで、着ることにおいても知識が必要である。まず、品質と着心地良さが創造の新しいコンセプトには欠かせない。残念ながら、行き過ぎが普通となった今、バランスのとれた製品を作るのは困難である。この価値観を信じて失いたくないと思っている。この価値観を失わない為にも新しい素材、新しい素材のデザインを追求している。

 アントニオ・イザッコは昔と代わらない情熱を持って働き続けている。その情熱はパーソナル・テーラーであり、スタイリストである息子のラッファエッロ・イザッコへと受け継がれている。彼らは、高い技術を持った新たなチームを作りさらなる飛躍に挑戦している。

イタリアの伊達男を探して・・・

イタリアの男子はなぜそんなにお洒落なのだろう・・・ 過去に遡り深く追求していきたい。

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